解決志向とは

about

仕事の進め方や職場でのコミュニケーションで、こんなことにお困りではありませんか?

行動管理

・やるべきタスクに追われて、目標達成に近づいている手応え(達成感や充実感)を感じにくい。
・できていないことや問題に着目しがちで、できていることに着目できていない。プラス思考の考え方に変えていきたい。

同僚や部下とのコミュニケーション

・相手のモチベーションを高めながら、伝えたい内容を伝えるにはどうしたら良いのか?
・部下にあるべき論を押し付けても、理解してもらえず、行動に繋がりにくい。

パワハラ、セクハラ

・「褒める」と「叱る」はどのように使うと効果的なのか?
・高い基準(品質)を目指すために、意識を高く持ってもらうために、何をどう伝えれば良いのか?

解決志向は、うまくいっていることに着目し伸ばしていくことで

スピーディーに成果を出していけるようになります

視点や伝え方などを少し変えるだけで、感情が変わり、やる気に繋がり、劇的に自分自身のパフォーマンスや相手との人間関係、チームや組織の行動力や成果向上などの効果を生み出すことができます。

事例

以下の事例でその違いをご紹介します。
部下が上司に企画書を提出した後のフィードバック場面の会話です。
少し前に上司がある企画書の作成を部下に依頼しました。今まさに部下から企画書が提出され、それを上司が確認して部下にコメントする場面を想定してください。

1. 問題に着目したフィードバックのケース
上司 企画書の提出、ご苦労さま。
でもさ、君はなんでいつも企画書の提出が遅れるわけ?
部下 はあ。すみません。つい考えすぎて時間がかかってしまいました。
上司 そもそも、仕事の段取りができていないんじゃないのか?
部下 はあ、そうかもしれません。
上司 なんで段取りくらいできないかなあ。
それに、いろいろ考えていると言うけど、結局、事業計画に沿った企画になってないじゃないか。事業計画の目的を把握してそのポイントを踏まえた企画にしてくれと言ったじゃないか。
部下 すみません。
上司 たぶん、まずは仕事のやり方の手順や時間の使い方が間違ってるよ。それに、あれこれ余計な情報が多すぎて、企画書としてまったくなってない。そもそも事業計画のことをちゃんと理解してないだろ?
部下 いえ、そんなつもりはないんですが・・・。すみません。
上司 とにかく、納期通りにきちんとした企画書を提出してもらわないと困るよ。
部下 すみません。

上司の持つあるべき姿に対して、部下ができていないことを中心に指摘するフィードバックの事例ですが、こうしたやりとりをするケースが多くあります。
しかし、部下は自己否定された気分になり、自信をなくして、今後のモチベーションアップにも繋がりにくくなります。
上司は部下が憎いわけでも、いじめているわけでもないのですが、このやりとりでは、現状否定が中心となってしまい、部下は現状否定された気分になり、自信をなくして、今後のパフォーマンス改善にも繋がりにくくなります。

上司の伝え方次第で、部下には伝えたいメッセージがうまく伝わらず、逆効果になってしまうという会話が、ビジネスシーンでは多くあります。


会話には、伝える内容(コンテンツ)と伝え方・文脈(コンテキスト)が大切になってきます。

それでは、解決志向のうまくいっていることに着目した事例を紹介します。

2. できていることに着目したフィードバックのケース
上司 企画書の提出、ご苦労さま。
君はいろいろな観点でよく考えていると思うよ。今後は納期遅れをなんとかしたいな。
部下 ええ、そうなんです。考えてすぎて時間がかかってしまい、すみません。
上司 君は、どんな企画を作りたいと思っている?
部下 まずはいつも言われているように、事業計画の目的とポイントを把握して、実現可能性の高い企画を作りたいと思っています。
上司 大切な点をしっかり理解してくれているようだね。
部下 ありがとうございます。
上司 君は、組織の状況を客観的に見られているし、自分なりに深く分析していると思う。その強みは生かすとして、今後事業計画に沿った企画書をよりタイムリーに出すにはどうしたらいいと思う?

まずは、ねぎらいの言葉があり、それに続けて企画書のいい部分を取り上げています。できている部分を認めながら、今後より良くしていくためにはどうすれば良いかを部下に考えるきっかけを与え、上司は部下の成長を導く役割をしています。

あるべき姿(目標)とのギャップを指摘するのではなく、スタートから見て現状を見て、できている部分を認めながら、今後さらにどうしていけば良いのかを考える。
これが解決志向の典型的なアプローチになります。

それでは、解決志向について詳しくご紹介していきます。

解決志向とは?

解決志向とは? 概略図

「何が悪いのか」「なぜうまくいかないのか」を徹底的に分析・追及する問題志向は、モノづくりや事故調査等の場面には有効です。

人間の行動をより生産的な方向に導くためには、「問題」や「失敗原因」を必要以上に大きく扱わないことが最短距離で解決に向かうためのポイントになります。

失敗原因をなくすことよりも解決に向けた可能性を追求する解決志向(ソリューションフォーカス)という考え方及びコミュニケー ション手法は、個人や組織が目的・目標に向かって最短距離で行動を展開するために最適なツールです。

解決志向のメリット

  • ポジティブなことにフォーカスするので気持ちが楽になります。
  • 自信(自己肯定感)が高まり、どんどん前向きに集中力や創造力が高まります。
  • 関係者と良好な信頼関係を築いていけます。
  • スピーディーにシンプルに行動して成果を出しやすくなります。

解決志向の歴史的経緯

解決志向は、アメリカ、ミルウオーキーのBFTC (Brief Family Therapy Center)で、1980年代半ばにスティーブ・ド・シェーザー氏とインスー・キム・バーグ女史らがセラピー、カウンセリングなど心理療法の分野で人の心の働きや脳の働きを踏まえて、研究・開発が進められました。

治癒までに200回必要と言われたセッションが、ソリューションフォーカスアプローチなら3回でも良くなったというイノベーション。

その後、コーチングの中心理論として組み込まれ、2000年頃より組織開発への発展的応用が活発になっています。

解決志向は普遍的な考え方の枠組みで、「アプリケーション」ではなく、動作の基盤となる「オペレーティングシステム」に位置付けられます。

現在では、マネジメント、リーダーシップ、コーチング、ファシリテーション、組織開発など、人と組織の問題を前向きに解決する効果的手法として注目を集め、多様に活用されています。

解決志向の基本的アプローチ

解決志向の基本的アプローチ
解決志向の基本的アプローチ

解決志向では、現在を基点にして、これまでのうまくいったことや理由を確認して、現状をポジティブに捉えていきます。そして、今後の進んでいきたい方向性(目的)や理想の未来像(目標)を明確にし、現状の位置を踏まえながら、前進していくための良い解決策を導き、行動に繋げていきます。

解決志向の大事なポイント

  • 成功は一気に起こらない。
  • 小さな変化が大きな変化を呼ぶ。
  • うまくいってることを見つけ、それを増やす。

解決志向の適用範囲

解決志向は、 人や組織の問題解決において、 関係者の信頼関係とモチベーションを高め、 スピーディ&シンプルに変化を起こしながら 前進するためのアプローチです。

以下のようなシーンで活用できます。

解決志向の適用範囲