「解決志向」を活用したパワハラ防止研修

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パワハラ対策のための基本的考え方

パワーハラスメント対策には、職場内のコミュニケーションの質を高め、建設的に意見を言い合える職場環境づくりを進める施策が有効です。

パワーハラスメント防止の研修は、大別すると以下のようなコンテンツが考えられます。


1.パワーハラスメントとは何か、基礎知識を理解する研修
2.パワーハラスメントに該当する言動、適切な指導の範囲などを職場内で判断する基準を明確にする研修
3.パワーハラスメント防止に資するコミュニケーション研修

パワーハラスメント防止に資するコミュニケーション研修は、アサーション(利害の異なる人、価値観が異なる人との間で自他ともに活かすコミュニケーションなど)、アンガーマネジメント、コーチング、ファシリテーション、価値観の多様性を受容する研修などが考えられます。

これらは、それぞれが単体で有益な内容です。

一方で、2015年くらいから、パワーハラスメント防止に根本的な内容として、より踏み込んだコンテンツ、研修はないのか、といった相談を受けることが増えてきました。

研修の企画担当者や経営者の方のお声を伺うと、パワーハラスメント対策と前述のような研修コンテンツを実施してみた結果としての期待と現実のギャップが浮かび上がってきました。

ハラスメント防止は、そもそも組織目標を他者を通じて達成する、という大命題があるので、仲良くなることが目的でも、怒りを鎮めることがゴールでもないため、単純なコミュニケーション研修だと、違和感を覚える受講者も少なからずいる、というのです。

ご要望としては、本質的にマネジメントに向き合いながら、ハラスメント防止に繋がる文脈、コンテンツはないか、ということだったのです。

そこで、解決志向のマネジメント、コミュニケーション研修をハラスメント防止の文脈で実施するようになりました。




「解決志向」を活用したパワハラ防止研修

本研修の目的

1.ハラスメント防止に必要な基礎知識(ハラスメントとは何か?等)を理解・再考します。

2.ハラスメント防止に繋がる解決志向のマネジメントスキルを習得します。

3.上司、後輩、ビジネスパートナーなど利害関係者とハラスメントを気にせず、安心して部下指導やマネジメントに取り組めるコミュニケーションスキルを磨きます。


本研修の特徴

1.講師からのレクチャーのみならず、グループワーク、相互学習を多数展開し、多様な気づき、学びの機会を創出します。

2.上司と部下の会話、フィードバックなどリアリティのあるケーススタディ、事例学習から、実務における部下指導やマネジメントの具体的なアプローチを学びます。

3.マネジメントとは「他者を通じて物事を成し遂げること(※)」という観点から、部下や関係者との人間関係・信頼関係を深め、他者との協働を促進し、目標の達成に向かって確実に進捗していくためのコミュニケーションを学習します。

※引用元:「フィードバック入門 中原淳」PHPビジネス新書



「解決志向」を活用したパワハラ防止研修の特徴

解決志向フレームワーク

解決志向は、相手や職場内外のポジティブなリソースを探索し、活かし、関係性を深めながら、マネジメントに活用すると組織目標の達成に向かって進捗することができる、という特徴を持っています。

これらが、ネガティブな根本的原因追求をしすぎて、部下との人間関係が悪化している、またはダメだしに終始するものの建設的なフィードバックが苦手、といった上司、リーダー、マネージャーの課題解決にとてもマッチしたのです。

例えば、部下から「ハラスメントじゃないですか」と反応されるのが怖くて言いたいことを言えない上司や、部下の指導方法がわからない、「褒める、叱る」といったスキルは知っているが、今一つなぜそれを行うか腹落ちしていない上司などが「指導の道筋が見えた」と言ったポジティブな声が上がるようになり、非常に高い評価を戴くようになりました。


「解決志向」を活用したパワハラ防止研修の受講生の声

「メーカー管理職研修」アンケート有益度 20人中19人が5点満点

解決志向パワハラ防止研修受講生の声1 ハラスメントのみならず、マネージャーとしての考え方(スキル)を振り返る良い機会となりました。
解決志向パワハラ防止研修受講生の声2 解決志向の考え方が興味深かったです。人材育成や面談の時に活用できそうです。
解決志向パワハラ防止研修受講生の声3 問題解決の新しいアプローチとして参考になりました。
解決志向パワハラ防止研修受講生の声4 部下の良い面を意識して話す、探すようにしたいと思いました。


パワハラ対策の進め方

パワハラを予防する

1.トップのメッセージ

組織のトップが、職場のパワーハラスメントは職場から無くすべきであることを明確に示す。

2.ルールを決める

就業規則に関係規定を設ける、労使協定を締結する。 予防・解決についての方針やガイドラインを作成する。

3.実態を把握する

従業員アンケートを実施する。

4.教育する

研修などを実施する(管理職、一般など)。

5.周知する

組織の方針や取り組みについて周知・啓発を実施する。

パワハラを解決する

6.相談や解決の場を設置する

企業内・外に相談窓口を設置する。 職場の対応責任者を決める。 外部専門家と連携する。

7.再発防止のための取り組み

行為者に対する再発防止研修等を行う。 組織の方針や取り組みについて周知・啓発を実施する。

(厚生労働省「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」を基に筆者加筆)


「解決志向」を活用したパワハラ防止研修の実施状況

ハラスメントの行為者は、上司のみならず、部下から上司、同僚間、正規社員からアルバイト社員といった様々な関係性で起こります。

「解決志向」を活用したハラスメント研修は多様な業種で一般職、経営層、管理職を問わず実施されています。

管理職、階層別の研修が一般的ですが、「社内の共通言語」「コミュニケーションのインフラ」として、「社内の全員に受講させたい」というご要望から、全従業員に同一の内容で、といった研修企画も増加しています。


これまでに研修実施した業種

製造業、総合商社、流通業、海外物流、プロ野球、食品メーカー、不動産、学校法人、地方自治体、石油販売、IT,製造業、運送、運輸業、その他金融、建設、旅館業、リサイクル、ホテル、社会福祉法人、保育園運営、飲食業、総合建設業、管工事業、会計事務所、飲食業、化粧品メーカー